2013/12/05

そして世界は変わりはじめている

ものすごい本に出会ってしまった。
あまりにも大きく感情が揺り動かされて、思考があちこちに駆け巡り、
強い想いが湧いてきていて、驚いてしまうほど。
小さいなりにも私は自分の裁量で自由に切り回すことのできる本屋を開いていて、
そして今までに一番すばらしい読書体験を与えてくれた本が目の前にあるというのに、
それについて伝えようとしないわけにはいかない。
お店に置いて紹介することにしようと決めたはいいものの、
その上で、どうすればこの本を一人でも多くの人に
読んでもらうことができるのだろうと、そればかり考えている。
この本の良さを言葉で伝えるのは、本当に、むずかしい。
むずかしいけれど、どうにかして少しでも伝えたい。
何から書いていいのかわからないので、内容的なところはさておいて、
読んでどう感じたかというところを書いてみることにしよう。
本の内容については少しだけ、この日の日記に書いています。

ウラジーミル・メグレ『アナスタシア』 シリーズ一冊目を再読し終えて、
二冊目の『響きわたるシベリア杉』 を読み始める。
恥ずかしながらはじめの60ページくらいですでに何度も号泣しつつ、ふと思った。
この本は私にとって今までで一番の本なのかもしれない、と。
涙が溢れたのはきっと、こんな本が存在しているということ自体がうれしかったから。

本屋という職業柄、おすすめの本や、好きな本を聞かれる機会も多いのだけど、
今までは、そのときそのときの最近読んでよかった本、
あるいは今のその人にとってこれはよさそうだな、というものがわかればそれを、
選んで答えるようにしていた。
これまで少なくはない数の本を読んできて、おもしろい!すごくいい本!
というものには数えきれないくらい出会ってきたけれど、
(世の中にはよくできたすごくいい本というのは数限りなくある)
その中で一番はと聞かれると、それはとても難しい質問だったのだ。
私は日々常に新しくなっていて、それに伴っていいなと感じる本だって、
いつも、常に新しい。
今までで一番の本と言われても、とてもひとつになんて絞れない、そう思っていた。

それがこの本を読み終わってみて、これは今までに読んだことのない特別な本だ、
そう確信している。少なくとも、私にとってはそう。
気持ちがうまく整理できなくて、今も何度も読み返しているところ。

読み込むほどに新しい発見ができるくらいに奥深くて、
それでいておもしろく、程度の差こそあれ、あらゆる人に理解しやすいように
書かれているという点でも、これはすごい本なのだと思う。
そうなのだ、今の世の中で多くの人に認識されている現実をひっくり返すような
すごいことが書いてあると言うのに、あくまでわかりやすく読みやすくおもしろい。
これは多くの人に手に取ってもらうためには、すごく重要な要素だと思う。
二巻目ではとくに、精神世界関係の本をまったく読んだことのない人や、
そういう考え方に馴染みがない人には簡単には受け入れがたいような内容の情報が、
目一杯詰め込まれているのだけど、一巻目から順に読むことで、
そういった人にも受け入れやすいように、理解しやすいように、
理解はできなくとも、ただ単純にひとつの物語として楽しむことができさえすれば、
何かを感じることができるように書くことに成功している、と思う。

これは読んでみたらすぐにわかることだけど、
著者自身が、アナスタシアとはまるきり反対の世界を揺るぎない現実として捉え、
資本主義社会にどっぷり浸かって生きている「起業家」という種類の人間なのだ。
(もちろん、すべての起業家がそうというわけじゃないと思うけど)
住む世界も、着るものも食べるものも、考え方も何もかもが
正反対と言えるくらいに異なっている二人の人間の協力のもとに生み出された本。
だからこそ、強い力を持つ本なのだ。
この本自体が、“二つの相反する人間の意識の流れが合流して、
新しい強力なものが生み出された結果”と言えるのではないか。

ずいぶん前に白線文庫のブログに、「世界を知るために本を読む」という
雑記を書いたことがあって、今も基本的にはそれがきっと
私を本に惹き付けている理由なのだろうと思っている。
「世界のほんとう」を感じてみたいという、純粋な好奇心。
多くの人に現実としてあたりまえに受け入れられている世界に対する違和感。
その気持ちに直接的に応えてくれる本に、たぶんはじめて出会ったのだ。
本、というより、アナスタシアという完璧な人間の存在に、
と言ったほうが正しいのかも。
そしてこの本を読んで、もっともっと高いところから世界を見てみたいという、
また新しい気持ちが生まれている。
そしておせっかいながらも、できるだけ多くの人に、
こんなにおもしろくすばらしい本があるということを知ってもらいたい。

幸せとはなにか、どうすれば幸せになれるのかを知りたい人にも、
この本はきっととてもいい本。
例えば「幸せ」を「心と体の健康」あるいは「美しさ」に置き換えてもいい。
答えはそれぞれその人自身の中にしかないものだけど、
それに近づくためのヒントのようなものはたくさん詰まっている。
アナスタシアという、本当の意味で満ち足りて幸せなひとりの女性の物語を通して、
それを感じることができるはず。

読みたいと思った時、あるいは目の前に気になっていた本が現れた時が、
その本を読む絶好のタイミング。
経験的に、そう確信しています。
理解できる、できないということを越えて、
何かしら特別なものを感じさせてくれる、そんな不思議な本。
本が届いたら、お店のブログでお知らせいたします。





-----

「真実を受け入れない人々の運命は定められているのかね?」

「真実を受け入れない人々の運命は定められている。
だけど、真実に目覚めることができない人々への責任はいったい誰にあるの?
それに目覚めない人?それともそれを伝えない人?」

「なんだって?おまえは…自分の責任だと言いたいのかね?」

-----

「どのようにして、大災害以外の方法で、人々に真実を知ってもらい、
分別を得させることができるのか、私はそれを知りたかった。
あのね、大災害は、真実を理解しない人々の落ち度だけによるのではなく、
それを伝える方法が十分に効果的でないために起こると私は判断したの。」

-----

「きみの夢は着実にわれわれの世界に入り込んできているよ、アナスタシア。
そして世界は変わりはじめているように見える。ある人々がきみを感じ、理解した。
彼らの中にどこかから力が湧き出て、彼らが少しずつ変化をもたらしているんだ。
世界はほんの少しずつ良くなりつつある。」