2017/01/19

あたらしい移住日記

昨年末、地震のあったすぐ後くらいに、エムエムブックスの福太郎さんが
お店にお越しくださった。
白線文庫のころから数年来、ずっとやりとりはしてきていたのだけど、
お会いするのは初めて。
帰られる前に少しお話をして近況などを伺う。
その時ちょうど、奥様のみれいさんの日記本の第三弾が出版される直前、
執筆が佳境というお話など。
私は前の二冊を読んではいなかったのだけど、
二冊目が他でもない、福太郎さんとの結婚のころのことを日記に綴った結婚日記。
そのころは、日記の中でも毎日のように褒めてくれていたのに、
今じゃあ3日に一回は悪口ですよ、と福太郎さんが冗談まじりに
おっしゃっていたのがとてもおもしろかった。
夫婦や家族って、お互いの成長のための本当によくできたシステムなのだと思う。
試されてるなぁ、忍耐だなぁ。なんてことばっかりだ。

さてその後すぐに、本屋さんで平積みにされているのを見つけ、
あっ、これこれ、と思って手に取り読ませてもらったのだけど、
移住(故郷への引っ越し)、親との死別、新しい場所で新しいお店のオープン、と
私たちの辿った道と時期も内容もシンクロすることだらけでなんとも不思議な気持ち。
中でも特に印象に残ったみれいさんの言葉が。

「実際のところ、人間が住みたい場所を選ぶのではなくて、土地が、それぞれの人のもつエネルギーを欲して、人がそこに住むことになるのだなと思っている。人は自分で思っているより、もっと大きなものに動かされて、その一部として存在しているような気がしている。」

そう書いてあるのを読んで、深く感じ入る。
確かに、そんな気がする。
私たちも、今いるこの場所に出会う経緯も含め、
すべて、その時はこうするしかなかった、という選択の連続。
何か大きな力に動かされていた時期のような気がします。
この文章のことをタケシくんに話すと、うん、そう思う。と、
これにはすぐに確信を持ってうなずいていた。
あぁ、やっぱり、“すべては完全に決まっていて、そして同時に完全に自由”なんだ。

服部ご夫妻を勝手に戦友のように感じて、これもまた、おもしろい読書体験。
時間と距離の間隔が、伸びたり、縮んだり。
本ってすごいなぁ。
やー、なんておもしろい時代!









服部みれい
『あたらしい移住日記』